禁酒51日目 オールタイムベスト映画

禁酒をしている人、禁酒を考えてる人にお勧めの僕のオールタイムベスト映画の紹介。

アカデミー賞受賞作品なので映画好きなら見ている人は多いと思いますが、禁酒を始めた目線からの感想を。

ネタバレをしたからどうという内容の映画ではないと思うけど、結末までの感想を書くので、もし興味があってネタバレ嫌悪の方は映画を見てからということで、

あらすじ

 

クレイジー・ハート

かつての人気カントリー・ミュージシャンのバッド・ブレイクは57歳となり、酒に溺れて結婚と離婚を繰り返すという自堕落な生活を送っていた。そんな彼のもとにある日、若い女性ジャーナリストのジーンが訪れる。ジーンとその息子バディと共に過ごす時間を通して、バッドは少しずつその生き方を変えていく。

 

 僕の見たセッティングとしてはガンガン酒を飲んでいた4年前に一度、禁酒開始後の最近にもう一度見た。

最初に見た印象は変わった構成の映画だなーと思った。

設定から見ると、ダメな男の再起をかけたワンスアゲインもので、自分を変えてくれる恋人と出会い、その出会いを通して酒を止める。 酒を止める描写が一番のヤマで恋人の助けを得て、苦しみながらも自分を取り戻しハッピーエンドへ 

みたいな展開になるのが普通のハリウッド映画だと思うけど、

そんなことはなく、酒を止めるっていう決意の山場は酒瓶を抱えたおっさんがワンワン泣く場面でとてもカッコ悪く、リハビリ施設で禁酒する場面もあっさりしているというか、ほぼなく、盛り上がり部分になるはずの一連の場面は終盤の15分の展開で静かに変化を見せてビターな結末へ。

結末は、大人の映画だなーというぼんやりとした感想だったけど、この構成配分と必ずしも言葉で説明をしていない余白の部分が心に引っ掛った。

ジェフブリッジスは好きな俳優だし、カントリーも割と好きなジャンルなので『時間が経ったらもう一度見よう映画』の一つだった。

 

そして禁酒後に見た二回目が痛いほど身につまされて刺さり、よかった。

結末を見ているから、映画自体の伏線としてジーンがバディの前では酒を絶対飲まないでと言い、バディは私の命より大切なのという事を何回も話していることが、後の展開に効いてくるのが分かる。

結局飲んだくれている間は自分の酔いが一番で、恋人の話していることなど聞いちゃいなかったんだと自分自身追体験をした。気にしてないから大切な人が傷ついた重みが分からないんだよなー。あぁ。。

そしてバディがいなくなったシーンは、酒から離れた今、酔って不注意になり時にやらかしてしまっていた以前の自分と重なり、胸がヒリヒリした。

 

 物語を通して、決定的に傷ついた登場人物もいなければ、最初の状況から偶然に劇的に変わった人物はいない。大きい起伏があるドラマではないけど、映画を通して大きく変化した、問題の根本の酒を止めてもヨリは戻せなかった。

僕も酒が原因で彼女と別れることになった。ベッドで酒瓶を抱えて絶望感を抱えていた底つきの場面も、バッドがヨリを戻そうと頑張ったけど結果が報われなかったことも、最終的にジーンが許せなかった事も少しだけ今は分かる。

バッドが出ているシーンは、車の中、バーでの演奏や部屋の中が多く、酒を飲んでうちにこもる場面が多いけど、酒をやめた後の最後のシーンではこの景色を楽しもう。と言って終わる。そのためにここまでの展開があったと思った。期待していた未来にはならなかったけど、変わる、変われたという力強いメッセージが表されてるように感じた。

生き方が変わる場面は無理にドラマチックになる必要はない、変わるべくして人は変わる。そしてそんな変化をこの映画は静かに肯定している。

 

夕暮れに公園でFallin' & Flyin' を聞くと、あの会場で自分も一緒にこの曲を聴いていたんじゃないかと錯覚するくらいこの映画の世界に引き摺られる。

 


Fallin' & Flyin'-Jeff Bridges and Colin Farrell fr

 

特に音楽が好きな酒好き/元酒好きには見て欲しい映画です。

 

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